こういった症状について、いくつか自覚のある方は「歯ぎしり」を行っている可能性があります。

歯ぎしりにより、歯にかかる圧力は通常の物を噛む時の数倍と言われているため、歯や顎に大きな影響を与えます。
しっかりと寝たはずなのに「起きた時に頭や体が疲れている…」といった症状などもあります。

また、歯ぎしりは睡眠の妨げになるだけでなく、症状を放置すると歯周病が進む要因となったり、顎関節痛や顔面痛等にもつながるので注意が必要です。

「歯ぎしり」「噛みしめ」について

「歯ぎしり」「噛みしめ」は決して特異なことではありません。誰でもしている一種のくせと考えてよいと思います。
時には次のような問題を起こします。

これらの症状のすべてが、「歯ぎしり」「噛みしめ」からくるわけではありませんが、 無用な悪いくせはなくしておく方がよいと思います。
このくせは眠っている時とか、 何かに夢中になっている時とかに起こるので気づきにくいし、治すのも同じ理由で治りにくいものです。

「歯ぎしりの原因」は??

歯ぎしりの原因は普段の癖や不安、「ストレス」による要因が大きいと考えられます。

「日中、集中し取り組まなければならない仕事を行っている」方や「ストレスや精神的負荷が高い事柄がよくある」方、「憂鬱や不安を感じることが多い」方、「ストレスをためこみやすい」方は
特に歯ぎしりを行っている可能性について、注意をされた方がよいでしょう。

ニューナゴヤクリニック歯科では上記のような「歯ぎしり」に関するお悩みにもお応えをしており、マウスピースやお薬による治療等がありますが、道具に頼ってしまうといつまでもそれを続けることになってしまうため、当院ではこういったものに頼らない治療をお勧めしています。

【歯ぎしりの治療について】

歯ぎしりの治療には、噛み合わせの調整・マウスピース(ナイトガード)を使用した治療やボツリヌス菌(注射)を使い、顎の周りの筋肉の動きを弱める等の方法がありますが当院では「日中の気づき」から始め、
「噛んではいけない。リラックス、リラックス」といった自己暗示やご本人の意識により、治していく方法が良いと考えます。

あなたが、本気になって治す気になれば意外と簡単に治っていくものです。

では、その方法をお教えします。

仕事等に夢中になっている時、ふと気がつくとしっかり噛みしめていたり、舌を吸いつけていたりしていることがあると思います。そんな時、肩を上下させ、首から上の力を思い切り抜いて、頬の力を抜き、 歯をかみ合わせないようにしてから、そのまま再び仕事に向かってください。
できたら、始めのうちは、口もとも半開きにすると良いのですが、人前をはばかるようでしたら唇は合わせてもよいでしょう。
噛みしめているのって意外と気づきにくいものです。
気づく方法として、普段よく使う道具にマジックインクとかカラーテープとかで目印をつけて、それを見たら思い出すようにするとよいです。主婦でしたら、水道の蛇口や包丁の柄とかに。事務の多い人はペンとか、キーボードとかに。また、 車の人はハンドルというように。

日中はなんとかできるとして、
問題は夜眠っている時のことです。

眠っている時のことなど、コントロールできないと思っている人が多いと思います。

しかし、「朝の4時に起きなければいけない」と思って
寝ると、不思議とその時刻に目が覚めるという
経験をしたことはありませんか。
眠っている間も、体内時計と「起きなければいけない」という意識が共同作業をして、正確にその時間に目が覚めるということを私たちはできるのです。
そんなむずかしいことができるのですから、 上下の歯を合わせないようにリラックスして眠るなどという作業は、「その気」になりさえすれば意外と簡単にできるものなのです。

成功の秘訣はあなたがどれだけ「その気」になるかにかかっているのです。

枕を低くしましょう。
後頭の一番出っ張ったところより首の付け根近くに枕をするようにします。
そうすると頭が少し上を向くので、口が開きやすくなるからです。
おもに仰向けに寝る人は、バスタオルをロール状に巻いて長い枕をつくるのも良いでしょう。横向きに寝る人は、背筋がまっすぐになる高さにしてください。

布団に入ったら何も考えないようにしてください。
布団の中は眠るだけの所と決めてください。
もし、どうしても考えることがあれば、もう一度、布団から出て考えてください。
あるいは、朝、目覚めてから布団のなかで考える習慣をつけるとよい考えがでてきます。

まず、思い切り噛みしめてください。
1~2秒後に、フッと顎の力を一度全部抜いてみてください。
わずかに口が開くと思います。
その位置が理想的なリラックスした位置で、このまま一晩中眠ってくれるといちばん良いのです。
次に、思い切り大きな口を開いてから、今度はガクンと脱力してみてください。たぶん、ほぼ同じ位置に顎が閉じるだろうと思います。ただし、顎の関節が痛くて開けない人は無理せず開けられる所まででいいです。

この時、呼吸を一緒に合わせると良いと思います。
つまり、力を入れるときに息を吸って、いったん1~2秒止めてから、脱力する時に一気にはくのです。

次に、肩に思い切り力を入れて、1~2秒してから突然脱力してください。この時も呼吸を合わせてください。
同じように、胸、腹、太ももの脱力をして、最後に足の先からその日のすべての疲れとストレスを追い出してやるような気持ちで大きく息を吐き出しながら脱力します。
何回もやっていると、手のひらや足の裏あたりが少し温かくなった感じがしてくるかもしれません。
それをもっともっと感じてください。
また、掛け布団が今までより重く感じたら
うまく脱力できた証拠です。

最後にもう一度、顎の力が抜けていることと、上下の歯がかみ合っていないことを確かめます。

呼吸に意識を傾け、吐く時に脱力するのを繰り返しながら、手足やお腹が温かくなってくるのを感じてください。

また吐く時に、自分がリラックスできる言葉を唱えるのも良いでしょう。たとえば「リラックス、リラックス」「いい気分、いい気分」「楽だ、楽だ」等何でもよいです。
また、「噛んではいけないぞ」「歯を合わせない」
「開いて寝る」
等を言い聞かせます。

そして、次の朝、今あるすべての症状がなくなって、
すっきり爽やかに目覚めるあなたの姿をイメージしながら
眠りに入ってください。

Q&A

口を開いて寝たら喉が乾きませんか?
次の朝、口の中が乾いているようだったら喜んでください。
自己暗示が、幾らかでもできていた証拠です。
口が乾いたからといってすぐに何か障害が起こるわけではありません。
自己暗示ができるようになったら、今度は上下の歯はかみ合わせずに唇だけ合わすようにしてください。
気になって夜中に目が覚めたり、食いしばっているのに気付いて目が覚めたりするのですが、寝不足になりませんか?
夜中に目が覚めるようであればやはり、喜んでください。
自己暗示ができてきた証拠です。「歯ぎしり」「噛みしめ」はごく浅い睡眠の時にすると言われていますので、さほど睡眠不足にはなっていません。
自己暗示がうまくいっているかどうかの判断は?
自己暗示が成功している度合いによって、はじめは、噛みしめた後に目が覚め、もっとうまくできるようになると、噛みしめようとする前に目が覚めます。
ほとんどできるようになると、朝目が覚めた時に、
夜中じゅうしていなかったことが確信をもてるようになります。
「歯ぎしり」や「噛みしめ」をするのではないかと気になって、
よく眠れなかったり、かえってストレスになってしまうのですが?
負担になるほど深刻にならないでください。
「噛んではいけないんだぞ」などと言い聞かせないで、穏やかな顔をしている自分をイメージするようにして、リラックスして眠ることに重点を置いてください。
ぐっすり眠ってしまい、あまり変わりばえがしないのですが?
「絶対にこの癖を止めるんだ」という気持ちをもっと強く持ってください。
また、眠り込む時に、「絶対上下の歯を合わしてはいけないんだぞ」と強く言い聞かせてみてください。それでもうまくできなければ、一時的に寝るときだけ使うマウスピースをつくってさしあげます。